「学習塾を開きたいけれど、資格や許可が必要なのでは?」そう考える人は多いでしょう。
実は、学習塾を個人で始めるには特別な資格や免許は不要です。

誰でも始めることができますが、届出や法律上のルールを守らなければ、開業後にトラブルになることがあります。
この記事では、学習塾を個人で経営する際に必要な資格・届出・法的ルール・行政上の注意点を徹底解説します。
学習塾を開業するのに資格は不要

まず最初に結論から言うと、学習塾を開業するために教員免許・塾講師資格・行政許可などは一切必要ありません。
学習塾は「私企業による教育サービス業」であり、国や自治体の認可を受ける「学校」や「専修学校」ではないためです。
では、誰でもすぐに始められるの?
基本的には可能です。
ただし、資格が不要ということは、「何でもやっていい」わけではありません。
次のような部分には注意が必要です。
- 税務署への開業届提出(個人事業主登録)
- 生徒・保護者との契約関係(料金・退会条件など)
- 消費者保護法や個人情報保護法への遵守
- 自治体による防火・用途制限などの建築基準
これらを守らなければ、開業後にトラブルや行政指導を受ける可能性があります。
開業前に必要な届け出一覧

学習塾を個人で開業する際には、主に以下の届出を行います。
| 手続き名 | 提出先 | 目的・内容 | タイミング |
|---|---|---|---|
| 個人事業の開業・廃業等届出書 | 税務署 | 個人事業主として登録する | 開業日から1ヶ月以内 |
| 青色申告承認申請書 | 税務署 | 節税効果のある青色申告を利用 | 開業日から2ヶ月以内 |
| 事業開始等申告書 | 県税事務所または市区町村 | 住民税・事業税の計算に必要 | 開業後すぐ |
| 防火対象物使用開始届 | 消防署 | 教室として使用する建物の防火確認 | 使用開始の7日前まで |
| 看板設置届(※必要な地域のみ) | 自治体 | 屋外広告物の設置許可 | 看板設置前 |
どれも難しい手続きではなく、無料で提出できます。
ただし、提出漏れがあると後に税務・保険・防火面で問題が生じるため、開業時にまとめて処理するのがおすすめです。
開業届と青色申告のポイント

学習塾を個人で始めるなら、まずは税務署へ開業届を提出します。
同時に「青色申告承認申請書」も提出することで、節税効果を得られます。
開業届の基本
- 提出期限:開業日から1ヶ月以内
- 提出先:所在地を管轄する税務署
- 添付書類:身分証明書と印鑑(電子申請も可)
青色申告のメリット
- 最大65万円の特別控除が受けられる
- 家賃・通信費・交通費などの経費計上がしやすくなる
- 赤字を翌年に繰り越せる
たとえば月収50万円でも、経費や控除を適用すれば課税所得を30万円以下にでき、所得税・住民税の負担を大幅に減らせます。
会計ソフト(freee、マネーフォワード等)を使えば、複式簿記も簡単に処理可能です。
消防署・自治体への届け出

学習塾を建物の一部で運営する場合、防火対象物使用開始届を提出する義務があります。
これは「多数の生徒が集まる施設」として安全性を確保するためです。
提出対象
- 延べ面積が300㎡以上
- 地下階や2階以上で不特定多数が出入りする場合
- 防火対象物(学校・学習塾など)に該当
個人経営の小規模塾(10〜20坪程度)でも、地域によっては「届出のみ必要」とされるケースがあるため、開業前に管轄消防署へ確認しておきましょう。
学習塾経営の看板設置や建築用途の注意点

屋外に看板を設置する場合、自治体によっては屋外広告物許可申請が必要です。
無許可で設置すると、撤去命令を受けることがあります。
また、テナントやマンションの一室を利用する場合は、その建物が「教育施設として使用可能な用途地域」であるか確認しましょう。
- 住宅専用地域:制限がある場合あり
- 商業地域・準住居地域:基本的に許可されやすい
- 防火地域:改修時に制約が発生することも
不動産契約前に「用途地域」「防火対象」を必ず確認してください。
学習塾経営に関わる法律・ルール

学習塾は資格不要ですが、次の3つの法律を守る必要があります。
① 消費者契約法
料金・退会規約を明確にしておかないと、「説明不足による返金請求」などのトラブルに発展します。
契約書または入塾申込書には、以下を明記しましょう。
- 月謝・教材費・講習費
- 返金不可のタイミング
- 解約手続き方法
② 個人情報保護法
生徒名簿・連絡先・成績データなどを取り扱うため、データ管理には十分注意が必要です。
生徒情報はパスワード保護・紙資料は施錠保管が基本です。
③ 労働基準法
講師を雇用する場合、勤務時間・給与支払い・労災加入などの規定が適用されます。
学生アルバイトでも労働契約書を交わすことが義務です。
学習塾経営の保険・リスク管理の準備も忘れずに

学習塾経営では、万一のトラブルに備えて保険加入も検討しましょう。
| 保険名 | 内容 | 目安費用 |
|---|---|---|
| 施設賠償責任保険 | 生徒がケガをした場合の補償 | 年1〜2万円 |
| 火災保険 | 教室・備品の火災被害補償 | 年2〜5万円 |
| 労災保険 | 講師・スタッフの業務中事故補償 | 年1〜3万円 |
| PL保険 | 教材・指導に関する損害賠償リスク | 任意加入 |
個人事業主でも加入できる保険が多く、リスクを抑えられます。
免許が不要でも「信頼」を得る資格は有効

法的には資格不要ですが、信頼を高めるために以下のような民間資格を取得しておくのも効果的です。
| 資格名 | 主催団体 | 概要 |
|---|---|---|
| 教育コーチング認定資格 | 日本青少年育成協会 | 保護者面談や指導力向上に役立つ |
| 学習塾講師検定 | 全国学習塾協会 | 授業運営・教育倫理の基礎を学べる |
| メンタルトレーナー資格 | 心理系団体 | 生徒のやる気・集中力アップに活用可能 |
特に保護者への印象が大きく変わり、「安心して任せられる塾」として差別化できます。
行政手続きと「チラシ経営」の意外な関係

一見関係がなさそうに見える行政手続きですが、実は「チラシ経営」と密接に関係しています。
① 正しい届出は信頼の証になる
税務署や消防署への届出を済ませているかどうかは、保護者が「信頼できる塾か」を判断する一つの要素です。
チラシに「税務署届出済」「防火届済」と記載するだけで、信頼度が上がります。
② 住所・電話番号の登録がチラシ反響を左右する
開業届を出すと、所在地・屋号・電話番号を公式に登録できます。
これにより、Googleマップや地域検索に正確に表示され、チラシやWeb広告からの反響率が向上します。
③ 行政手続きを通じて“地域データ”を得る
市役所・商工会議所などで開業届を出すと、地域人口・学区・年齢層などの公開データを活用できます。
この情報を基に配布エリアを設計すれば、チラシ反響率を1.5倍以上に伸ばすことも可能です。
ここまでの手続きの流れ(時系列まとめ)

| 時期 | 行動内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 開業2〜3ヶ月前 | 教室探し・賃貸契約 | 立地と物件を確保 |
| 開業1〜2ヶ月前 | 開業届・消防届・用途確認 | 法的手続きの完了 |
| 開業1ヶ月前 | チラシ作成・ポスティング準備 | 集客開始 |
| 開業当日 | 授業開始・体験授業実施 | 初期入会確保 |
| 開業1ヶ月後 | 会計記録・青色申告準備 | 節税と経営管理 |
このスケジュールを守るだけで、「法的に正しく、集客にも強い塾経営」をスタートできます。
よくある質問(Q&A)
Q1:家庭教師業と学習塾は違うの?
→ 家庭教師は訪問型サービスであり、塾は教室を構える施設型事業です。塾には防火・看板のルールが適用されます。
Q2:自宅の一室で開業しても大丈夫?
→ 可能です。ただし集合住宅では管理規約で「事業利用禁止」とされている場合もあります。契約前に確認しましょう。
Q3:屋号は自由に決めていい?
→ 商標登録されていなければ問題ありません。ただし「学校」「協会」「研究所」など、誤解を招く名称は避けるべきです。
Q4:フランチャイズではなく個人開業のメリットは?
→ ロイヤリティがなく、自由度が高い点です。経営方針・教材・料金設定を自分で決められます。
まとめ|資格よりも「信頼」を形にする準備を
学習塾を個人で始める際に、特別な資格や行政許可は必要ありません。
しかし、届出や法令遵守を怠ると、信頼を失うリスクがあります。
これらを正しく行うことが、経営の第一歩です。
そして、開業後に成功を継続させるには、集客を仕組み化することが欠かせません。
その鍵となるのが、「学習塾経営 × チラシ経営」です。
行政上の届出を済ませ、地域データをもとにチラシ配布を最適化すれば、開業初期でも安定した問い合わせを獲得できます。

学習塾経営は、資格よりも「信頼」と「継続」が命。法的基盤を整え、地域に根ざした塾として長く愛される経営を目指しましょう。