「学習塾を開業したいけれど、どのくらい資金が必要なのだろう?」「できるだけ費用を抑えて始める方法はあるの?」
個人経営で学習塾を始める際、最初に直面するのが“お金の壁”です。
塾は比較的リスクが少ないビジネスですが、初期投資を誤ると資金が尽き、わずか数ヶ月で閉鎖するケースもあります。
後半では、広告費を大幅に削減し利益を安定化できる「学習塾経営 × チラシ経営」の考え方も解説します。
学習塾を個人で始めるのに必要な資金の目安

個人経営の学習塾を立ち上げるには、おおよそ300〜700万円の資金が必要です。
これは、教室の規模・立地・内装レベル・教材形態によって変動します。
一般的な10〜15坪の個別指導塾を想定した場合、以下のような費用構成になります。
| 費用項目 | 目安金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 物件取得費 | 50〜150万円 | 敷金・礼金・保証金など |
| 内装・看板費 | 100〜150万円 | 間仕切り・照明・外装・サイン類 |
| 備品・設備 | 50〜100万円 | 机・椅子・パソコン・ホワイトボード |
| 教材・システム | 30〜80万円 | 教材・プリント・学習管理システム |
| 広告宣伝費 | 30〜70万円 | チラシ・看板・Web・ポスターなど |
| 運転資金(3ヶ月分) | 80〜150万円 | 家賃・光熱費・人件費など |
| 合計 | 約300〜700万円 | — |
このうち「物件」と「広告費」は、工夫次第で大幅に節約可能です。
初期費用の内訳を詳しく解説

① 物件取得費
立地が集客に直結するため、ここは慎重に選びたい部分です。
賃料は月10〜15万円が一般的。敷金・礼金を合わせて3〜6ヶ月分かかります。
ただし、空きテナントを探す際に次の点を意識するとコストを抑えられます。
- 元学習塾・事務所・英会話教室などの居抜き物件を活用
- 駅から遠くても学区内・住宅街に近い場所を選ぶ
- 管理会社ではなくオーナー直契約で仲介手数料を節約
場合によっては、保証金なし・フリーレント1〜2ヶ月付きの物件も見つかります。
② 内装・看板工事費
机と椅子を並べるだけでも教室として機能します。
豪華な内装よりも「清潔感・明るさ・静けさ」を重視しましょう。
節約ポイントは以下の通りです。
- 照明・壁紙をシンプルにする
- 中古家具・オフィスリユース品を活用
- 看板はアクリル製+スポットライト型で十分
- DIYで小規模改装を行う
費用を抑えた分を広告や教材へ回したほうが効果的です。
③ 備品・設備費
最低限必要なのは、机・椅子・ホワイトボード・パソコン・コピー機。
中古備品やオフィス用品店を利用すれば半額以下に抑えられます。
たとえば:
- ホワイトボード(新品3万円 → 中古8,000円)
- デスクセット(新品5万円 → 中古15,000円)
- コピー機(リース → 月額5,000円〜)
また、コピー機は「印刷単価」も要チェックです。
リース契約時は、印刷1枚あたりの単価が1枚2円以下が理想です。
④ 教材・学習システム費
開業初期は、市販教材や無料プリントサイトを活用することで大きく節約できます。
最初から高額な教材を導入する必要はありません。
おすすめは:
- ちびむすドリル(小学生向け)
- e-点ネット塾(中学生〜高校生対応)
- Google Classroom などの無料学習管理ツール
授業スタイルを確立してから、有料システムへの移行を検討すれば十分です。
⑤ 広告宣伝費
多くの個人塾が苦戦するのがこの部分です。
チラシ制作・配布を外注すると、1回あたり10〜15万円ほどかかります。
しかし、配布エリアを限定し、自分またはスタッフで配布すれば、月5万円以下で同等の効果を得られます。

これを体系化したのが「学習塾経営 × チラシ経営」という仕組みです。後半で詳しく解説します。
⑥ 運転資金(3ヶ月分)
塾は開校初期に生徒が少ないため、3ヶ月分の運転資金を準備しておきましょう。
主な固定費は以下の通りです。
| 費用項目 | 月額目安 |
|---|---|
| 家賃 | 10〜15万円 |
| 光熱費 | 2〜3万円 |
| 通信費 | 1万円前後 |
| 教材・印刷費 | 1〜2万円 |
| 広告費 | 3〜5万円 |
| 講師人件費(アルバイト) | 5〜10万円 |
これらを合計し、月25〜30万円 × 3ヶ月分=約90万円を運転資金として確保するのが安全です。
自己資金の目安と調達方法

個人塾開業では、自己資金200〜300万円+外部資金100〜300万円が理想です。
調達方法は主に以下の3つです。
- 日本政策金融公庫の創業融資
教育・地域密着事業は融資審査が通りやすく、無担保・無保証の制度があります。
金利は年2%前後、最長7年の返済が可能です。 - 自治体の創業支援補助金
市区町村によっては、開業費の1/2を補助する制度もあります。
例:内装工事・広告費・看板設置などに対して補助上限100万円。 - 家族や知人からの借入(出資)
返済計画を明確にし、口約束ではなく書面化しておくのが重要です。
開業資金を抑える実践的な節約ポイント

ポイント1:内装・設備は“機能優先”
豪華さよりも清潔感と快適さを優先しましょう。
壁紙を白、机を木目調にするだけでも十分に印象が変わります。
ポイント2:宣伝費は“チラシ経営”で半減
広告費は、開業初期で最もムダになりやすい支出です。
エリアを絞って自分でポスティングを行えば、反響データを蓄積でき、翌月以降の配布効率が上がります。
ポイント3:固定費より“回収の早い費用”を優先
たとえば、体験授業を促すためのチラシや看板は、費用をかけても1〜2ヶ月で回収できる投資です。
逆に、デザイン性の高い内装や大型モニターは後回しで構いません。
開業後に資金を枯渇させないためのキャッシュフロー管理

個人塾の多くは、「黒字倒産(利益はあるのに現金がない)」に陥りがちです。
その原因は、月謝の入金タイミングと支払いサイクルのズレにあります。
対策1:月謝は前払い制にする
月末締め・翌月払いではなく、月初払いにすることで資金繰りが安定します。
対策2:季節講習の入金は2週間前に
夏期・冬期講習など大きな支出がある期間は、前金で確保しておくのが鉄則です。
対策3:現金残高は常に「3ヶ月分」キープ
運転資金が尽きると経営判断が短期化します。目安は月経費の3倍=安心ラインです。
資金計画の失敗例と成功例

| 項目 | 失敗例 | 成功例 |
|---|---|---|
| 内装費 | 200万円以上かけて開業 | 居抜き利用で70万円に抑制 |
| 広告費 | 外注ポスティングに毎月15万円 | 自主配布で5万円+反響データ管理 |
| 教材費 | 高額教材を導入(初期50万円) | 市販教材+自作プリントで10万円台 |
| 資金計画 | 開業資金のみで余裕ゼロ | 運転資金3ヶ月分を確保 |
| 結果 | 6ヶ月で閉校 | 1年で黒字化・生徒40名達成 |
成功塾の共通点は、「必要な支出」と「不要な支出」を明確に分けていることです。
チラシ経営で広告コストを最小化する方法

「学習塾経営 × チラシ経営」は、開業時の資金を守るうえで非常に有効です。
1. 広告費を半分にできる
外注ポスティングでは反響を把握できませんが、チラシ経営では自分で配布・管理するため、1件あたりの獲得単価が下がります。
- 配布数:2,000枚/月
- 反響率:0.5% → 問い合わせ10件
- 入会率:50% → 新規5名
- 月謝2万円 × 5名=月10万円の売上
- 広告費:4万円 → ROI250%
2. データ分析で無駄を排除
エリア・曜日・デザイン別に反響をデータ化し、翌月は最も効率の良いエリアだけに配布。
これにより、広告費を“固定費から変動費”に変えることができます。
3. 長期的な地域ブランドを築く
継続的にチラシを配ることで、「このエリアの勉強塾といえばこの教室」という認知が自然に広がります。
信頼性が高まり、口コミ入会が増え、広告費ゼロ経営へ近づきます。
節約と投資のバランスをどう取るか?

開業時に重要なのは、「節約する部分」と「投資すべき部分」を明確に分けることです。
| 節約すべき部分 | 投資すべき部分 |
|---|---|
| 内装・備品 | 看板・外観の視認性 |
| 高額教材 | 集客導線(チラシ・Web) |
| デザイン・装飾 | 教室の快適性・照明環境 |
| 外注広告 | データを蓄積できるチラシ配布 |
| 一括購入 | サブスク型ツール・月額サービス |
利益を生む部分(=集客・契約・授業)に重点的に投資し、それ以外は最小限に抑えるのが原則です。
まとめ|資金を「使う順番」を間違えなければ塾は成功する
学習塾の個人経営では、初期投資を抑えながら利益を生む仕組みを作ることが最重要です。
- 開業資金の目安は300〜700万円
- 居抜き物件・中古備品で初期費用を削減
- 運転資金3ヶ月分を確保
- 広告費はチラシ経営で最適化
これらを守るだけで、無理のない資金計画が可能です。
「学習塾経営 × チラシ経営」は、広告費を抑えながら安定的な集客を実現できる現実的なモデルです。
開業初期でも利益を残しやすく、次の拡張(2教室目・フランチャイズ展開)にも対応できます。

お金をかけることよりも、「お金の使い方を設計すること」。
これが、成功する学習塾経営の第一歩です。